スローペース
朝は6時でもまだ暗く、そのうえこの冬いちばんの寒さとかがあって、ふとんから起きあがるのは至難であったりする。この歳になるとさすがに睡魔にまけることはないが、ただ寒いということにはたじたじとなる。夜なかの部屋のなかは暖房がオフなので冷えびえとしている。
なにごとも年齢をかさねるごとにスローペースになることである。それがあべこべに月日のスピードだけは加速するようで、ほんの先日までは正月気分が抜けないようだったのに、はやもう1月も残り少なくなっている。もっとゆっくりといっても、だんだんと先にいって待ってくれない。
とはいえ、たまに寝坊をすることがあっても早朝のジョギングだけは継続しなければならない。それに暮れから休んでいたラジオ体操を2月からはじまるが、外は暗いし底冷えする寒さであるから、メンバーの人たちがはたして出てくるだろうか思いやられる。
それでまだ暗いなかを歩いていると公園ではサッカーの練習をしている人たちもいる。よくみると小学校にもみたないような小さな子もまじっていて感心することもある。なににしても鉄は熱いうちに打てというが、早いうちにと言いかえてもよさそうだ。
そういえば負けしらずの中学生棋士の登場で将棋ブームが起こったりしたし、卓球にしてもチャンピオンは中学生である。ほかにもスケートであるとか、スポーツの分野にかぎっても最高記録などでの低年齢化がいちじるしく、末恐ろしいということばがピッタリする。
べつにスポーツにかぎらず、知名で世のなかで活躍している人たちにしても、もちろん才能もさることながら、ずっとはやく小さなころからトレーニングやレッスンをうけ、努力をかさねてのゴールでもあるにちがいない。ただそれにしてもまだ年端もない小さな子どもとなれば痛々しいかぎりでもある。
というのも、なにも小さいうちからそんなに急いでベストを目ざすのはどうだろう。たしかに早いことにこしたことではないけど、いずれは記録は破られることであり、また人間としての体力の限界があることだし、それにただ一つのことだけにすべてが尽きはててしまってはなにもならない。
こんなふうに思うのも歳月のスピードはべつにして、なにごともスローペースであり、老いぼれのやっかみであるからだろう。あたまの働きにしても気力や体力にしても思いにまかせず、なさけないことに、よだれがでたり、手がふるえたり、おもらしをすることもあったりする。
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