読書日記

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これといった仕事もなくときには時間をもてあまして途方にくれるようなこともある。ようするにヒマなときには読みたい本が身近にあれば手もちぶさたのスペースを埋めることができる。本であったらいくらでも図書館で借りれるし、古本だったら新刊一冊の値段でどっさりと好きなだけ手にはいる。

読書というと聞こえはいいけど、しょせんはヒマつぶしなのである。多少ボケ防止に有効ということがあっても、それ以外にとくに得られるものがあるわけではない。読んでもすぐに忘れて身につかないし、うわの空でただ活字をおうだけということもあって、どこかハムスターの回転車のイメージがある。

先日も上下巻がある文庫本をつい引きこまれて数日で読んでしまった。ところがあとになってなんとなく、ストーリーの一部が以前にどこかで見聞きしたような話であったのである。それも冒頭の部分と結末がそうで、小説はというと「悪人」(吉田修一著)で映画化にもなっていたらしい。

それにしてもどういうことだろう。調べてみるとすでに4年ほどまえに、一度この本を読んでいたのだった。著者にもなじみがなかったし、内容にしてもほとんど記憶になく気がつかなかったのだから、ただただあ然とするばかりである。これでは本を読んでいながら、まさに心ここにあらずということなのだろう。

そんなことであってもあとあと心に残るようなシーンもすくなからずある。心あたたまる話とでもいうのだろうか。娘にかわって大事に育てたその孫が凶悪な殺人犯ということで警察の手配をうけている。自身も高額商品の詐欺に引っかかってふんだりけったり、すっかり落ちこんでしまう。

夫の入院をみまうためにバスに乗ろうとするとマスコミからよってたかって質問ずめにあう。バスの運転手はそれを見かねて「ばあさん、苛めたって仕方なかろうが」と彼らをバスの外に追いだす。病院前でおりるときには励ますように声をかける。「ばあさんが悪いわけじゃなか、しっかりせんといかんよ」

ほかにも「氷点」(三浦綾子著)は続編もあって上下4冊は読みごたえがあった。これもおなじ兇悪犯の子どもを育てるといったことからすじ書きが展開する。「ここに地終わり海始まる」(宮本輝)は18年間療養生活をおくっていた女性が、人ちがいで受けとったハガキのラブレターがきっかけで奇跡的に健康をとりもどす。

もうひとつは「閉鎖病棟」(帚木蓬生著)だった。38年間も入院していた患者に退院の許可がでる。家に帰ってこられたら困る妹夫婦は担当医にくってかかる。このときのやり取りは読んでいてまるで大岡裁きのように留飲がさがるような思いがする。精神を病むということの認識をあらたにされるようで、5つ星とさらにプラスに評価してもいい。

読後感ふくらむ余いん読書会

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